50代からでも会社で存在感のある人材になりたい!キャリアのリノベーションに役立つ結晶性知識とは?


はじめに

変化の激しい時代、私たちを取り巻く働く環境は大きく変わろうとしています。20年後には多くの仕事がAIに代わられ、今ある仕事のいくつかはなくなると言われています。

そんな中で、50代を過ぎた私たちはどのように自分のキャリアを築いていけばよいのでしょうか。この記事では、あなたの中に眠る「結晶性知識」を発見し、存在感ある人材として輝き続けるための方法をお伝えします。


第1章:なぜ今、キャリア再設計が必要なのか?

AI時代の到来と仕事の変化

振り返れば、IT化の推進により、私たちの生活は大きく変わりました。1986年頃には、まだ駅の改札で「切符」に鋏(ハサミ)を入れたり、定期券が有効期限内であるかを目視する「改札係」という仕事がありました。神業的な職人の方が何人もいらっしゃって、その「秘儀」をまねる人もいたのです。

今では、SUICAに代表される交通系ICカードが主流を占め、文字通り自動改札になっています。30年という月日の中で、「改札係」という仕事(職人技)がなくなってしまったのです。

作業系のみならず、将棋の世界でも人工知能がプロ棋士に勝利したり、自動車の自動運転にも応用されたりして、「考え、判断する」領域にも広がっている現状からも、AIに仕事がとって代わられるのは時間の問題のようです。

効率的経営が求められる背景

多くの会社において、社員が効率的に仕事を進めることが求められています。時間当たりの労働生産性をあげることに注目が集まっていることに加え、時間にとらわれず成果で仕事を評価する裁量労働制の導入が進みつつあることも、その表れです。

「正規社員」という枠組み以外の人材力として「非正規社員」「派遣社員」「業務委託」という形態が広がっている背景には、「効率的に」「労働生産性を高く」業績をあげたいという会社の思惑があるわけです。

会社で生き残るために必要な3つの力

したがって、会社で本当に必要になってくる人材は、代替できない役割を担っている人材という傾向がますます強くなってきます。会社で生き残るためには、次の力が必要になります。

1. 成果をあげるために必要となる創造力、創業力
2. 現在と未来を見据えた上での全体最適視点のある決定力、判断力
3. 周囲の人と協業して事業を前進させるコミュニケーション力、人間力

つまり、組織全体の利を考え、周りと気持ちよく仕事ができる人材と言えるでしょう。

期間の定めのない雇用契約である「正社員」は、解雇規制の保護があるため、いわゆる「窓際族」のような人材であっても、お気楽に会社にいることができる時代ではなくなるのではないかと考えられます。


第2章:「結晶性知識」を再発見しよう

結晶性知識とは何か

自分が経験したことのなかに、その人ならではの価値があります。積み上げた経験は、あたかも結晶のように研ぎ澄まされた知見となるのです。

「存在感のある人材」となる前提として、自分の中にある「結晶性知識」を再発見することが大切です。

どんな小さなことでもよいので、自分が他者に誇れる経験、他者のために役立てる経験を洗い出すのです。

好きではなかった仕事からも生まれる価値

例えば、仕事上、人事に関連するクレームに対峙することが多々あったとします。その大半は制度に対する不満、人間関係にかかわる不満といった簡単には解決できないものばかりでした。

とくに、自分に直接の原因がない問題で、言葉にトゲのあるクレームを受けたときは、心底嫌な気持ちになりました。ですから、こういった問題にかかわることは好きではありませんでした。

ただ、経験を積むことで、トゲのあるクレームをつけた人と打ち解けたり、他の人の役に立つことが多くなりました。好きではなかった仕事でしたが、今では、ある程度余裕をもって対応できるようになりました。

つまり、好きではなかった「人事に関連するクレーム対応」ですが、今では、結晶性知識の一つになったのです。

「存在感のある人材」であるための源が「結晶性知識」なのです。

存在感ある人材になる3つのポイント

ポイント1:伝承役に徹する

自分の価値は、自分で伝えなければ伝わりません。どのような場面で、どのように役立つことができるか。このことを意識して行動することが大切です。

人によっては、仕事を抱え込んでしまうことがありますが、これは「存在感のある人材」となるためには、望ましくないです。

「仕事が人に付いてしまう」ことは往々にしてあります。属人的な仕事はブラックボックス化しやすくなり、最終的にその人がいなくては仕事が進まなくなります。これも、ある意味で「結晶性知識」と言えなくもないですが、「伝承していく」という行動が欠けています。

「伝承する」という行動は、組織で仕事をし、組織にとって有益な行動を取る、という意思があるからこそできるものと考えます。ゆえに、「伝承する」という行動が伴わない「結晶性知識」は「存在感のある人材」となるためにはマイナス効果となるのです。

ポイント2:チーム全体のコーチ役に徹する

「伝承する」ことと近しいのですが、チームビルディングに尽力する上司を後方支援することで貢献する行動が大切です。それは、あたかもチーム全体のコーチ役を担うとも言えるでしょう。

そのためには、自分から、あえて発信することが極めて重要です。

たとえば、「ホウレンソウ」を通して、自分が貢献できる仕事上の課題を探し、そこに自分の結晶性知識を活かして解決していくことを実行すれば、他の模範にもなります。そうなれば、自然と周囲から存在が認められるようになるはずです。

仕事を通して、さりげなく大人な立ち振る舞いで実行できると、カッコイイですよね。

ポイント3:将来のキャリアとのつながりを連関させる

再発見した「結晶性知識」を、自分の将来のキャリアにどのように活かしたいか、イメージを深めることが大切です。

せっかく培った「結晶性知識」です。それを会社のためだけではなく、自分のために活かすようにイメージすると、思わぬ発見につながることがあります。

「結晶性知識」は、過去の経験を紡いでいくことで発見されるため、その一つひとつ、および、そのつながりに意味づけをすることになります。

たとえば、過去においては意味のない経験と感じていたことが、今となっては意味のあるものであったという発見があるのです。

こういった発見を通して、自分の将来のキャリアとのつながりをイメージすると、「結晶性知識」がより研ぎ澄まされていくことになります。


第3章:3年後の目標設定と価値観の見つめ直し

なぜ目標設定が大切なのか

自分のキャリアを主体的かつ自律的に築いていくためには、3年後の自分を見据えることが大切です。3年後の自分を見据えることは、すなわち、3年後の目標を設定することです。

計画的偶発性理論、社会人としての自分史、自分の人材力を通して、自分を因数分解することができれば、自分のキャリアパターンを認識できます。自分のキャリアパターンを認識できれば、想定しえない将来の出来事にもしっかりと対応することができます。

しかし、気をつけなければいけないことは、自分のキャリアパターンを認識することに満足してしまうことです。自分の過去と現在をしっかりと捉えることができると、それで「わかった気」になってしまうからです。

結果として、自分のキャリアを主体的かつ自律的に再設計することはできません。ただ、「あ~なるほど、自分って、こういう人だったんだ。」ということを認識するだけで終わってしまうからです。

「こうありたい自分」を見つける方法

3年後の自分のありたい姿を目標として設定することは、自分との対話を経て、自分の将来を選択するためのプロセスそのものです。

言うまでもなく、人生は選択の連続です。

自分のキャリアを主体的かつ自律的に再設計することは、ある意味、「自分に正直になること」を目指すスタートラインに立つことだと考えます。

自分のミッションや、仕事に対する価値観に基づき、「こうありたい自分」に向けて、小さくてもかまわないから行動を変えていく、そして、良くなる方向を選択し続けることです。

本質を見抜く問い「それは、ホンモノか?」

3年後の自分を見据えた目標を設定する際に、「こうありたい自分」は、本心から出てきたことであるか、を意識することが大切です。

本心からという意味は、文字通り、ウソ偽りなく、自分の心の底から感じたことであるか否かを問うということです。

本質を見抜くことは簡単ではないと思います。

それゆえに、小さな微調整を加えながら、将来の自分のキャリアを変えるべく、小さな挑戦と意図をもったトライ&エラーを重ねることで、3年後の自分のありたい姿を形づくることをおススメしています。

小さな微調整とトライ&エラーの重要性

したがって、3年後の自分を見据えた目標を設定した後であっても、良くなる方向を選択し続けるために、小さな微調整が欠かせなくなるのです。

このような行動は、自分の価値観を「それは、ホンモノか?」という問いを通して刷新しつづけることです。

「それは、ホンモノか?」と自分に問いかけることの先には、自分のキャリアを主体的かつ自律的に築き上げるという目的があります。

目標は、文字通り、標(しるべ)です。目的である的(まと)に到達するための標(しるべ)なのです。

「知覚動考」による意図的な行動

意図を持ったトライ&エラーを重ねることは、「自分の過去と現在を知り、将来にむけて意図をもって動くこと」であると、考えます。

「知覚動考」=「ともかくうごこう」 ↓ 「とも(知)かく(覚)うご(動)こう(考)」

やみくもに動くのではなく、意図をもって考えて動くことが、自分のキャリアを主体的かつ自律的に築くために欠かせません。

したがって、3年後の「こうありたい自分」を目標設定することは、意味があり、遠回りだけれども、近道であると信じています。


まとめ

「結晶性知識」を活かすには、組織に貢献しようという謙虚な姿勢と、自分の将来展望に活かそうという意欲が大切です。

こういう人は、役職という地位についていなくとも、周囲の人からリスペクトされます。一目置かれた存在になるでしょう。

つまり、 【 一目置かれた存在 】=【 存在感のある人材 】 となります。

それゆえ、50代を過ぎて「結晶性知識」を再発見することは、自分のキャリアを再生させる点で、極めて重要なのです。

変化の激しい時代に会社が生き残っていくためには、社員の総合力を活かすことが必須になります。高度経済成長期やバブル期のように、とにかく全員で画一的にでも前進すれば成果があがった時代ではなくなっているからです。

そのためにも、会社における自分の価値を見出すことが大切です。「結晶性知識」を再発見できれば、生き残ることができるからです。

結晶性知識を理解しつつ、湘南キャリアデザイン研究所が提唱する「終活」と連携させることで、50代のビジネスパーソンのキャリアリノベーションが実現するのです。


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